2012年02月29日

『アーティスト』が5冠の快挙、米アカデミー賞


米ハリウッド(Hollywood)で2012年2月26日開催された第84回アカデミー賞(Academy Awards)授賞式で、モノクロの無声映画『アーティスト(The Artist)』が作品賞を含む5冠を達成し、今年の映画賞シーズンを有終の美で締めくくった。

 同作品のその他の受賞部門は、主演男優賞(ジャン・デュジャルダン、Jean Dujardin)、監督賞(ミシェル・アザナヴィシウス、Michel Hazanavicius)、作曲賞、衣装デザイン賞の4つ。

『アーティスト』より1つ多い11部門にノミネートされていた『ヒューゴの不思議な発明(Hugo)』も5部門で受賞したが、すべて技術系にとどまった。

 アザナヴィシウス監督は監督賞の受賞スピーチで「私は世界一幸せな監督だ」と喜びを表した。

 プロデューサーのトマ・ラングマン(Thomas Langmann)は先日、AFPのインタビューで、米国のスティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督に、今のハリウッドで無声映画を作るなんて「不可能」であり、モノクロならなおさらだと言われたことを明かしている。

 フランス映画界の有力者の理解を得るのも簡単ではなかった。しかし、同国の映画製作における資金調達のシステムとラングマンの粘り強さで、アザナヴィシウス監督はハリウッドでの撮影に必要な900万ユーロ(約9億8000万円)を得ることができた。

 ラングマンは「私には他の場所で撮影することは考えられなかった。ハリウッドの物語を語るのなら、ハリウッドで撮らなければ」と話した。

 アザナヴィシウス監督が1月に行われたゴールデン・グローブ賞(Golden Globe Awards)授賞式で、ハリウッドへの「ラブレター」だと表現した同作品の成功には、米国の大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)の目にとまったことも大きく関係している。

 アザナヴィシウス監督はAFPのインタビューで次のように語っている。「ハーヴェイ・ワインスタインは素晴らしい仕事をしてくれた。映画や観客についての考え方、時宜を得た市場戦略など、とにかく卓越している」

■求められたのはノスタルジア?
(※以下、映画の結末を含みます)

 興行収入は北米では2800万ドル(約23億円)ほどだが、世界では7300万ドル(約60億円)。批評家や映画業界からの評価も高まっている。アメリカンシネマへのオマージュとして作られる映画は多いが、これほど温かく受け入れられる作品はない。この作品のメッセージが現代に当てはまっていることが理由かもしれない。

『アーティスト』でジャン・デュジャルダンが演じるサイレント映画の大スター、ジョージ・ヴァレンティン(George Valentin)は、トーキー映画の到来に戸惑い、現実を見ようとせずに落ちぶれてしまう。しかし、かつては自分のファンで、トーキー映画の人気女優となったペピー・ミラー(Peppy Miller)のおかげで人生とキャリアを立て直す。

 現在、3Dという新たな技術が登場し、ヴァレンティンが経験したような転換期を迎えつつあるハリウッドも、この映画に自分たちのハッピーエンディングを投影したのだろう。

 不確かな未来に直面し、アカデミーの会員たちはノスタルジアの香りに引かれたのかもしれない。

 奇遇なことに、米国映画に賛歌を贈ったフランス人のアザナヴィシウスに対し、米国のマーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)監督は、ジョルジュ・メリエス(Georges Melies)の技術をたたえる『ヒューゴの不思議な発明』でフランス映画の起源を称賛した。

 しかし、『アーティスト』が1920年代当時の無声映画そっくりに作られたのに対し、スコセッシ監督は最新技術を使った。69歳にして初めて、3Dで映画を撮ったのだ。
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2012年02月27日

最低映画を選ぶラジー賞、アダム・サンドラーがノミネート記録更新


2011年の最低な映画に贈られるゴールデン・ラズベリー賞(通称:ラジー賞、Golden Raspberry Awards、Razzies)のノミネーションが2012年2月25日、米サンタモニカ(Santa Monica)で発表され、米俳優アダム・サンドラー(Adam Sandler)が記録更新となる最多11のノミネートを果たした。2005年にエディ・マーフィ(Eddie Murphy)が出した記録のほぼ2倍だ。

 サンドラーは、批評家に酷評された3本の作品『ジャックとジル(Jack & Jill)』、『ウソツキは結婚のはじまり(Just Go With It)』、『Bucky Larson: Born to Be a Star』で主演男優、脚本家またはプロデューサーとして11ノミネートを獲得した。

 サンドラーが一人二役で双子の兄妹を演じた『ジャックとジル』は、最低作品賞を含む12部門にノミネートされた。本人役で出演しているアル・パチーノ(Al Pacino)も、最低助演男優賞で3度目となるラジー賞ノミネートを受けた。同作で最低主演女優部門にもノミネートされているサンドラーは、ラジー賞主催者によれば、同部門で受賞する初の男優になるかもしれないという。

 今回は、1980年に始まったラジー賞の32年の歴史で初めて、最低作品賞、最低監督賞、最低脚本賞、最低スクリーン・アンサンブル賞の候補が重なった。

 米国46州と17か国の657人による投票で決定するラジー賞の受賞者は、これまでアカデミー賞授賞式前日に発表されていた。しかし今年は、ノミネーションをアカデミー賞前日に発表し、エイプリルフールの4月1日に受賞者を発表する。

 主要部門のノミネート結果は以下のとおり。

<最低作品賞>
−『Bucky Larson: Born to Be a Star』
−『ジャックとジル』
−『ニューイヤーズ・イブ(New Year's Eve)』
−『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン(Transformers: Dark of the Moon)』
−『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 1(The Twilight Saga: Breaking Dawn - Part 1)』

<最低主演男優賞>
−ラッセル・ブランド(Russell Brand)--『Arthur』
−ニコラス・ケイジ(Nicolas Cage)--『ドライブ・アングリー3D(Drive Angry)』、『デビルクエスト(Season of the Witch)』、『Trespass』
−テイラー・ロートナー(Taylor Lautner)--『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 1』、『ミッシング ID(Abduction)』
−アダム・サンドラー--『ジャックとジル』、『ウソツキは結婚のはじまり』
−ニック・スウォードソン(Nick Swardson)--『Bucky Larson: Born to Be a Star』

<最低主演女優賞>
−マーティン・ローレンス(Martin Lawrence)--『ビッグママ・ハウス3(Big Mommas: Like Father, Like Son)』
−サラ・ペイリン(Sarah Palin)--『Sarah Palin: The Undefeated』
−サラ・ジェシカ・パーカー(Sarah Jessica Parker)--『ニューイヤーズ・イブ』、『I Don't Know How She Does It』
−アダム・サンドラー--『ジャックとジル』
−クリステン・スチュワート(Kristen Stewart)--『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 1』

<最低監督賞>
−マイケル・ベイ(Michael Bay)--『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』
−トム・ブラディ(Tom Brady)--『Bucky Larson: Born to Be a Star』
−ビル・コンドン(Bill Condon)--『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 1』
−デニス・デューガン(Dennis Dugan)--『ジャックとジル』、『ウソツキは結婚のはじまり』
−ゲイリー・マーシャル(Garry Marshall)--『ニューイヤーズ・イブ』

<最低脚本賞>
−『Bucky Larson: Born to Be a Star』
−『ジャックとジル』
−『ニューイヤーズ・イブ』
−『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』
−『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 1』

<最低リメイク・続編賞>
−『Arthur』
−『Bucky Larson: Born to Be a Star』
−『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える(The Hangover Part II)』
−『ジャックとジル』
−『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 1』

<最低スクリーン・アンサンブル賞>
−『Bucky Larson: Born to Be a Star』
−『ジャックとジル』
−『ニューイヤーズ・イブ』
−『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』
−『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 1』
posted by kazu at 12:31|

2012年02月24日

本物のオスカー像に会える「ミート・ジ・オスカーズ」


第84回アカデミー賞(Academy Awards)授賞式を目前に控えた2012年2月22日、米ニューヨーク(New York)で本物のオスカー(Oscar)像に触れることのできるイベント「ミート・ジ・オスカーズ(Meet the Oscars)」が開幕した。

26日の授賞式で最優秀主演男優賞と同主演女優賞の受賞者に実際に贈呈されるものも展示されている(こちらは触れることはできない)。オープニングには、昨年の授賞式で助演女優賞のオスカー像を獲得した女優メリッサ・レオ(Melissa Leo)が登場した。
posted by kazu at 14:06|